12月〜3月が勝負!新築マンション値引きのコツ

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マンション購入で最初の大きな選択肢、「新築か中古か」。せっかく買うなら新築がいい、という方も多いのではないでしょうか。
新築マンションの購入は、実は12月〜3月が狙い目。プレミア価格の新築マンションも、裏側を知ればお得に買えるかもしれません。今回はこの時期が狙い目である理由を含め、納得のいく新築マンション購入につながるヒントを解説します。

実は新築の方が交渉しやすい?
新築マンションと中古マンションの決定的な違いとは

ポイントは「売主は誰か?」 

新築マンションと中古マンションは、実は全く別のビジネスモデルです。
中古マンションの売主が個人であるのに対し、新築マンションの売主はそのマンションを作ったデベロッパーです。中古はエージェントの仲介を伴う個人間の売買契約ですが、新築の場合はデベロッパー自身が売り主となり、直接売買を行います。

一見、個人相手の中古マンションの方が値引き交渉しやすいイメージがありますが、実は逆。

個人の売主の中には、「今すぐ売りたいわけじゃない=いい条件で買ってくれる人が現れたら売ってもいい」という温度感で売りに出している方もたくさんいます。
一方、新築マンションはデベロッパーが売るために作っているわけですから、今買ってくれる人を真剣に探しているということ。そのため中古マンションに比べると比較的交渉がしやすいとも言えるのです。

ちなみに「値引き交渉」と言っても、物件価格そのものが安くなるケースだけではありません。何かしらのオプションをつけてくれるケースや、家具をつけてくれるケースなど様々です。

デベロッパー=入居後も長いお付き合いに。
信頼関係を築くことが何よりも大事

「担当者を味方につける」という気持ちで購入を進める

不動産に関する知識は、普段なかなか勉強する機会がありません。
マンション購入、特に初めての場合、「本当にこの人の話を信じて良いのか」「実はもっとお得に買える方法があるのでは」と不安になってしまうものですが、まず物件の担当者は敵ではありません

そもそも、担当者は値引きや家具サービス等の最終的な決裁権を持っていないことがほとんどです。交渉する場合、担当者と信頼関係を築き、希望条件を決裁権のある上司や本社に通してもらうことが必要不可欠ですから、まずは目の前の担当者と信頼関係を築いて、味方になってもらうことが大切です。

また仮に購入した場合、引き渡し時の立会いまで、そのデベロッパーとの付き合いは続きます。マンションの管理会社も売主であるデベロッパーの系列会社であることが多く、契約前に揉めてしまうのは入居後の快適な生活のためにもよくありません。

以上の点からも、担当者は「住宅購入のパートナー」と捉えて真摯に向き合い、嘘をつかずに信頼関係を築くことが大事と言えます。

12〜3月=デベロッパーの決算の時期。
交渉しやすさを見極めるコツ

竣工直前と決算直前が狙い目

ではなぜ12〜3月の購入が狙い目なのでしょうか。ポイントは「竣工」と「決算」のタイミングです。

①竣工直前のタイミング

竣工とは物件の工事が完成することを指します。

新築マンションという事業は、物件が竣工して購入者に引き渡すまで売上が確定しません。そのため売主であるデベロッパーは、竣工前に出来るだけ契約を進めておき、竣工時には予定していた利益を確定させておきたい、と考えています。

そのため竣工直前にまだ空室がある場合、営業担当者は購入検討者の希望を汲んでくれやすい傾向にあります。

ただし、人気物件の場合は竣工前に完売してしまう場合が多いですから、売れ行きを注視して、どうしても欲しい物件であれば値引き交渉をせずに申し込みを行いましょう。

②決算直前のタイミング

大手デベロッパーは基本的に3月決算。決算に間に合わせて売り上げを伸ばそうと、追い込みをかける時期です。また売り上げだけでなく、供給戸数や契約件数のランキングなど、対外的なアピールのために契約件数も駆け込みで伸ばしたいという意向も働くことがあります。

デベロッパーの売り上げは、実際にお金が動く「引き渡し完了」で発生します。

検討している物件のデベロッパーのIR(株主向け情報)で契約の進捗状況や注力領域をチェックしてみると、その会社の状況を把握でき、交渉のしやすさを見極める材料になるかもしれません。

また、JV物件(複数のデベロッパーが合同で販売している物件)も交渉がしやすい可能性があります。
その物件の在庫状況が複数社の経営指標に関わるため、確実に売りたいという共通認識ができてもともとの金額が相場並みにおさえられているか、売れ行き次第では値引きの余地がさらにあとから出てくる場合も。一般的に、戸数が何百戸という大きいマンションはほぼJV物件だと思って良いでしょう。物件概要を確認してみてください。

比較対象は「近隣の新築」か「同グレード物件」。
明確な希望条件を提示しよう

「ここまでだったら出せるし、買いたい」を伝える

実際に交渉の流れについて話を進めます。
まず、新築マンションの購入には、「登録」と「先着」の2パターンあることをおさえましょう。

登録」とは、販売前のマンションを購入する権利の抽選に登録するということ。

対して「先着」はその名の通り先着順に購入する権利をゲットできることです。

また、登録期間が終わってまだ買い手がつかない部屋がある場合は、先着に切り替わります。

そのままの価格で購入する買い手が出てくる可能性のある登録段階で「この値段はちょっと・・・」と伝えると、より低い金額の部屋を提案されることになることが多いです。そのため、交渉をする場合は先着で申し込める部屋に対して行うのが良いでしょう

大事なのは、明確な条件をこちらから提示することです。

特に竣工後でデベロッパーが決算期末までに売りたい場合、こちらの希望に出来るだけ応えようと耳を傾けてくれるかもしれません。

「もうちょっと安くなりませんか」ではなく、「近隣の新築のモデルルームに行ったら、このくらいの値段を提示された。でもこちらを買いたい。なぜなら・・・」というように、具体的な比較材料を持って相談しましょう

近隣に新築があればベストですが、無い場合は、築2,3年の物件や、買いたい物件の隣にある中古物件なども比較材料になり得ます。

デベロッパーもビジネスでマンションを販売しているので、仕事での交渉と同様、決裁権者に上げやすい具体的かつ落とし所のある条件を提示することが大切です。嘘をついたり曖昧にせず、真っ当に条件を提示しましょう。

新築マンションは全体的に値上がり傾向。
他の購入希望者に取られてしまうリスクも

原価高騰により新築の希少性はアップ

ここまで値引きのコツを伝えてきましたが、そもそも、本当に欲しい物件ならば、値下げ交渉をせずそのままの価格で素早く買うことが大事です。

土地や施工費が値上がりしている今、新築マンションの希少性が高まり、デベロッパーも出来るだけ高値で売って利益を上げたいと考えています。日本の新築ブランドはまだまだ根強く、交渉している間に他の購入検討者に取られてしまう可能性がないわけではありません。
実際に、人気物件では抽選に10倍以上の倍率がつくこともあります。

よって、「この条件になるなら買いたい、最悪の場合買えなくてもかまわない」という物件に対してのみ、交渉することをお勧めします。

また、新築モデルルームのサービスは手厚く、ファイナンシャルプランナーが資金計画等のサポートをしてくれることが多いです。交渉が通った場合スムーズに購入に進めるよう、あらかじめ資金計画も決めておくと良いでしょう。

時間を空けて希望が通ることも?
実際にあった成功例・失敗例

カギは「具体的な条件を提示したかどうか」

最後に、実際にあった交渉の成功例・失敗例をご紹介します。

未完成状態の新築マンションの見学に行ったAさんは、提示された価格が予算オーバーだったので、「〇〇円くらいだったら検討します」と具体的に伝えたところ、数ヶ月経ってデベロッパーから「希望の金額で買いませんか」と連絡が来たそうです。おまけに家具付き。連絡が来たのはデベロッパーの決算期直前でした。

反対に、「もうちょっと安かったら・・・」と、担当者側からの提案を待つような曖昧な意思表示をしたBさんは、本当に欲しかった物件、しかも実際は買える価格だったにも関わらず、他の購入検討者に取られてしまったそうです。

カギははっきりと「この条件なら買いたい」という条件を明確にし、伝えること。
担当者には嘘をつかず、素直に悩みを相談する気持ちで交渉を行ってください。

 

記事の監修:TERASS 副編集長 鈴木彩
2012年に株式会社リクルートに入社。SUUMO(新築分譲マンション領域)営業担当として首都圏と関西、大手から中小まで幅広い不動産会社の集客支援を経験。その後、雑誌編集者として住宅購入にまつわるお金やノウハウ、管理組合等のテーマを主に担当。現在は株式会社TERASSでTERASS times副編集長としてマーケティング全般を担当している。