<リノベーション>リノベの基本と失敗しないコツは?

renoveroccaインタビュー、リノベの基本と失敗しないコツ

住宅購入と同様、人生の中でそう頻繁には経験できない“リノベーション”。
日々の暮らしを送る住まいを、自分たちのアイディアで作れれば愛着もひとしおですが、失敗したくないという不安もついてまわります。

そこで、初めてでもうまく行くコツを知るべく、東麻布にあるリノベーションの会社『ソーゾーファクトリー』さんにお話を伺いました!

renoverocca?(リノベろっか?)
株式会社SOZO FACTORYによって生まれた、東麻布にあるマンションリノベーション専門ショップ「renoverocca?(リノベろっか?)」。施主の希望をうまく引き出し形にした遊び心のあるリノベーションが持ち味。http://renoverocca.jp

リノベろっか?のお二人

左がCEOの永吉さん、右がリノベーションデザイナーの叶井さん

リノベーションの基本的な流れ

Q.まずは、リノベーションの基本的な流れを教えてください!

A.renoverocca? 永吉さん

ネットや雑誌などでリノベ会社へ問い合わせをされた後、物件購入済みの場合は現地調査をしたり、まだ購入していない人は物件探しからお手伝いをするところから始まります。
そうしてリノベーションの希望条件がまとまってきたら、うちでは3つのプランをご提案します。お客さんによっては複数社にプランを出してもらい、気に入ったものを選ぶ、という方もいらっしゃいます。そうして絞り込んでいき、打ち合わせたプランの見積もりを確認し契約となります。

費用の発生タイミングは会社によって異なり、前段のヒアリングやプランのご提案時点から費用が発生する会社も一部ありますが、基本的にはプランのご提案後に一社に決め、暫定的な見積もりをもって契約を結ぶパターンが多いですね。 

Q.プランは、どのくらい具体的なものを提案してもらえるのでしょうか?

A.renoverocca? 叶井さん

うちではいつも、3パターン用意します。1つは「お客さんがいった通りのプラン」、2つ目は「建築的な目線で遊び心をいれたプラン」、3つ目は「うちならもっと面白くできるというプラン」と、遊びの幅が違う3つをご提案します。

例えば、こちらでは玄関スペースに広い土間をご提案しました。

土間のあるマンションエントランス

1階住戸であることを活かした、遊び場にもなる、約10畳の土間スペース

お客さんの最初の要望はこの様な形でした。

当初のプランA

施主の意向をそのまま実現したプラン

このお家のコンセプトは『子どもたちの遊び場優先の家』。元フレンチシェフの奥様からの「お子さまを見守り、会話しながら料理ができるキッチンにしたい」という希望で、家事動線に優れ、キッズスペースも見守れる間取りの中央にキッチンを設置しました。

それと同時に、少し遊びを加えたプランもご提案しました。

提案したプランB

土間など遊び心を加えた提案プラン

インナーテラスとしていた部分は水や汚れに強い土間仕様に。キッチンは思い切ってリビングと一体にして、キッズルームとの間に親子で使えるワークスペースを設けるなど、空間を一体に広く使いながらも緩やかに用途が分けられるようにしています。

土間や、ここまで思い切った空間の繋げ方は初めての方には勇気が要りますが、最終的にこちらの遊びのあるプランを選んでいただき、こういった計画図に詰めていきました。

最終的な図面

AMroom、PMroom、ワークスペースなど過ごし方に応じて空間作った間取り。PMroomにはダイニングテーブルと一体になった大きなキッチンがあり、子どもたちとコミュニケーションを取りながら食事の準備ができそうだ

その他にも、こだわりのキッチンは既製品では理想通りにならなかったため造作したり、ボルダリングの壁に興味があったご家族のために雲梯をつけたりと、設備や細かなインテリアも一緒に考えて決めています。

この家オリジナルで造作したキッチン(左)、ぶら下がって遊べる雲梯(右)

初めての方はまず最初のベーシックなものを考えがちなのですが、こちらで遊びを加えたプランに決まることもよくあります。そういった、当初はお客さん自身も言葉にできなかった要望やしたい暮らしをプランという形にしてご提案するのが、リノベのプロの仕事だと考えています。

大きなキッチンと土間のある家へのリノベーション

予算の幅は素直に相談しよう

Q.予算ってどう伝えたらいいのでしょうか。

A.renoverocca? 永吉さん

当初600万円予算の人が最終的に1300万円のプランにしたこともあり、かかる予算も実際の費用も非常に幅があります。

はじめに低めの予算を伝える方も多いのですが、それはリノベ会社の賢い頼り方とは言えません。「予算は500万円」と伝えられたらそれを大きく超える提案は失礼ですから、誠実なリノベ会社ほど、あらゆるものを削ったりしてなんとか500万円の中で作ろうとしてしまいます
その後で予算が追加になることも多いですが、削られたものが全て戻ってくる訳ではありません。それであれば当初からそれらを折り込んでプランを作った方が、当然良いものができるわけです。

初めてのリノベーションで、どこまでお金をかけるのかを決めることは難しいですが、「できる限りこれで抑えたい。どうしてもやりたいものがあるならここまで」など、最初から素直に幅を伝えるほうが、結果的に良いものが出来上がると思います。

また、予算を素直に伝えても良いくらいに信頼できるリノベ会社と出逢うことも大切だと思います。

リノベしたい、と思った時点でこだわりは必ずある

Q.インテリアのプロではないですし、特にこだわりもない、でもかっこよくしたい、という方もいらっしゃると思うのですが

A.renoverocca? 永吉さん

そういう方がすごく多いです。多いんですけど、やっていくうちにこだわりが出てくるんですよね。中古マンションにそのまま住まずに「リノベしたいな」と考えた時点で、何かしらのこだわりは絶対あるんです

ただ、それらが後からでてきてしまうと時間やお金が余計にかかることになりますし、リノベ会社としても良い仕事がしづらくなります。さらには、「そんなこと最初は言ってなかったじゃん!」と夫婦喧嘩になることも。せっかく思い入れのある家づくりをしているのですから、リノベ会社とも、家族とも喧嘩になるようなことがあってはいけません。それを防ぐため、今まさに「こだわり発見シート」というものを作っています。

Q.こだわり発見シートとは?!

A.renoverocca? 叶井さん

何もないところから希望を考え始めるのではなく、細かい部分までできる限りリスト化し、好みを答えてもらう形式のシートです。

例えば、「ドアノブはこういう種類や質感があるがどれがいいか?」など、一つ一つ答えていくことで聞かれないと出てこない自分の要望を最初に知ることができるシートになっています。それを家族に共有してもらい、どれを優先するかという話をしていただくととてもスムーズですし、そういう過程も楽しんでいただけると思っています。

あとは、うちでは今住んでいるお住まいの写真を見せていただくことが多いです。暮らし方や好みが良くわかります。instagramやpinterestなどのSNSで気になる内装や、通りがかった商業施設などの気になった壁紙を各箇所3枚ずつほどまとめて担当者に見せて、自分の好みを知ってもらうことも大切だと思いますね。

Q.希望って、どのあたりまでにFIXすればよいのでしょうか?

A.renoverocca? 永吉さん

うちでは、基本的に着工の一週間前までに決めていただくことにしています
それを過ぎてから変更があると現場の工程にも影響しますし、「そもそも部屋に運び込めるのか?」という検証が必要な設備もあります。

例えば、こちらのタワーマンションでの事例では、このモダンなデザインのキッチンを入れたい!というご要望がありました。

タワーマンションでのリノベーション事例

大型のキッチン

ただこちらは非常に大きな設備でしたので、決める前に実寸のモックアップを木で作り、タワーマンションに実際に運び込んで「エレベーターで運べるか?」、「エレベーターに入らないならば階段で運べるのか?」など搬入のシミュレーションを行いました。

本当にギリギリで入ったのでなんとかなりましたが(笑)、こういった検証や工程の工夫が必要なものもあるため、着工前には全て決め切ったほうが後から後悔せずに済むと思います。

相性の良いリノベ会社と出逢うには

Q.相性の良いリノベ会社さんって、どう見つければいいのでしょう

A.renoverocca? 永吉さん

リノベーション会社は様々です。renoverocca?のようなリノベ専門でやっているところもあれば、不動産会社の子会社だったりと、バックグラウンドも色々です。売却時の価値を重視したリノベーションを得意とするところや、純粋にお客さんにフィットした形に変える自由なリノベーションを得意とする会社もあります。

ただ、よくある間取りそのままではなく、自分たちの暮らしに合わせたプラン提案を求めるならば、やはりそういった提案力で生きているリノベ専業のところの方が期待できると思います。

もっと家で遊んでみよう 

Q.こうして事例を見てみると、やってみたい“遊び”が湧いてきますね

A.renoverocca? 永吉さん

リノベーションは一回やるともっとしたくなるもので、数年たって「またやりたい」と仰る方も少なくありません。それはリノベーション自体の楽しさもあるかと思いますが、一度やってみて数年たつと「もっと遊んでもよかったかなあ」と感じることがあるそうです。

遊んでみたら意外とこんなんもんなんだ、と感じると思います。そんな、自分では思いつかなかったより良い住まいを提案することに、ぼくたちリノベ会社の価値があると思っています。 

先のことを考えるとどうしても無難なものになってしまいますし、それを否定するわけでもありません。ですが、ぼくたちは何年か後を見据えてその間我慢する家ではなくて、この10年のために最高の場所を作る。そういうつもりでリノベーション専門会社をやっています。

リノベろっか?のお二人