<家を買うとき>減らせる税金、もらえるお金

家を買うとき減らせる税金・もらえるお金

家を買う時や買った後に、税金を減らせる制度があります。どんなケースでどのくらい減らせるのか、見ていきましょう。

住宅ローンの残高に応じて税金が戻る“住宅ローン控除”

家を買う時に住宅ローンを借り入れると、年末のローン残高に応じた額が所得税から差し引かれます。これが“住宅ローン控除”で、給与所得者の場合は天引きされた所得税から控除額が戻ってきます。
控除期間は入居から10年間が基本ですが、建物価格にかかる消費税が10%の場合は3年間延長されて13年間になります。

  借入限度額 控除率 最大控除額
1~10年目 4000万円(5000万円) 1.0% 400 万円
(500万円)
11~13年目

どちらか少ない方の額を控除(年額)
①建物価格(4000万円※1が上限)の2%×1/3
②年末の住宅ローン残高(4000万円※1が上限)×1%

 - 80 万円
(100万円)

※認定長期優良住宅、認定低炭素住宅の場合は5000万円

控除される額は最大400万円

当初10年間の控除額は毎年の年末ローン残高に控除率1%をかけた額です。ただし消費税8%または10%の場合は控除の対象となる借入限度額が4000万円なので、年間の控除額の上限は40万円。10年間では最大で400万円になります。
ちなみに購入する住宅が長期優良住宅または低炭素住宅に認定された住宅の場合は、借入限度額が5000万円にアップします。年間では50万円が上限となり、10年間の控除額は最大500万円です。

2019年10月〜2020年12月末までに入居の場合はプラス3年間控除!

消費税10%で購入した場合、従来の10年間の控除に加えて、13年目まで延長して控除が受けられるようになりました。

11〜13年目の年間の控除額は「①建物価格の2%の3分の1」または「②年末ローン残高の1%」のどちらか少ない額です。①を3年分合計すると建物価格の2%となるので、ちょうど消費税の2%増税分を取り戻せる計算になります。なお、建物価格と年末ローン残高はいずれも4000万円(長期優良住宅と低炭素住宅は5000万円)が上限です。

中古マンション購入の場合は控除が最大200万円

消費税がかからない住宅、つまり個人が売主となる中古住宅の場合は、控除の対象となる借入限度額が2000万円になります。控除期間は10年間、控除率は1%なので、毎年の控除額の上限は20万円、10年間の控除額は最大200万円です。

  借入限度額 控除率 最大控除額
1~10年目 2000 万円 1.0% 200 万円

所得税から控除しきれない場合は、翌年の住民税から差し引かれる

住宅ローン控除は所得税から控除する制度なので、納めた所得税以上の額は戻ってきません。例えば住宅ローンの年末残高が3000万円だと控除率1%で30万円になりますが、納めた所得税が20万円であれば戻ってくる額は20万円です。

ただし所得税から控除しきれなかった分は、翌年の住民税から差し引かれます。住民税からの控除額は収入から給与所得控除や基礎控除などを差し引いた課税所得の7%が限度額で、上限は13万6500円です。なお、消費税がかからない中古住宅の場合は課税所得の5%(最高9万7500円)が上限になります。

  控除限度額
消費税率8%または10%の場合 所得税の課税所得× 7% (最高13.65 万円)
上記以外の場合※ 所得税の課税所得× 5% (最高9.75 万円)

※個人間(媒介)の中古住宅売買(消費税が非課税)の場合など

住宅ローン控除を受ける条件

■人の主な要件
●住宅を取得した日から6カ月以内に入居し、年末時点で引き続き居住していること
●控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下
●住宅ローンの返済期間が10年以上

■建物の主な要件
●家屋の登記簿上の床面積が50㎡以上
●中古住宅を取得する場合は以下の要件のいずれかを満たすもの
(1)耐火建築物は築25年以内、木造等は築20年以内
(2)一定の耐震基準に適合するもの
(3)取得の日までに耐震改修の申請をし、居住の日までに改修を行って耐震基準に適合することが証明されたもの

この住宅ローン控除の適用を受けるには、人や住宅が一定の要件を満たす必要があります。例えば人については収入から給与所得控除などを差し引いた合計所得金額が3000万円以下であることや、住宅ローン控除の返済期間が10年以上であることなどです。

また住宅の床面積は50㎡以上であることが要件です。この床面積は登記された登記簿面積のことで、マンションの場合は広告などに表記される専有面積よりやや小さくなります。広告上の専有面積が50㎡を少し上回る住戸の場合は、住宅ローン控除が受けられるかどうか確認が必要です。また中古住宅は築年数による制限もあるので注意してください。

住宅ローン控除を受けるには、原則として入居の翌年に確定申告が必要です。申告用紙は税務署で配布していますが、国税庁のホームページから手続きすることもできます。また給与所得者の場合は一度申告すれば、2年目からは勤務先の年末調整で手続きが可能です

増税ですまい給付金の対象も緩和

消費税10%への増税を機に、すまい給付金も年収775万円台以下を目安に給付金の対象が広がりました

ただし、年収のほかローンの組み方などによってもらえる金額が変わるため、気になる方はこちらの国土交通省監督のすまい給付金サイトで、給付金がもらえるか試算してみましょう。

親からの援助は税金がタダになる贈与税の非課税枠

家を買う時に親などから資金援助を受けるケースも少なくないでしょう。通常は親子間であっても財産を贈与した場合は贈与税の対象になりますが、住宅取得資金の場合は特例で一定額まで非課税になります。

契約年 消費税率10%が適用される人 左記以外の人(中古など)
一定基準を満たす住宅 一般住宅 一定基準を満たす住宅 一般住宅
2019年4月1日~2020年3月31日 3000万円 2500万円 1200万円 700万円
2020年4月1日~2021年3月31日 1500万円 1000万円 1000万円 500万円
2021年4月1日~2021年12月31日 1200万円 700万円 800万円 300万円

この贈与税の非課税枠は住宅の契約(売買契約や請負契約)をした時期によって金額が変わります。現在は消費税増税に伴って非課税枠が大幅に拡充されており、2020年3月31日までの契約では2500万円まで贈与税がかかりません。2500万円の贈与を受けると、通常は810万円強の贈与税がかかるので、特例の減税効果はとても大きいのです。

上記の非課税枠は建物の消費税率が10%の場合です。消費税率8%や、消費税のかからない中古住宅の場合は2020年3月31日までの契約で700万円など、非課税枠が小さくなります。

また、住宅が省エネ性や耐震性など一定の基準を満たす場合は、非課税枠が500万円加算されます。消費税10%で2020年3月31日までに契約する場合の非課税枠は3000万円です。

非課税枠の適用を受けるには、20歳以上で合計所得金額が2000万円以下など、一定の要件を満たす必要があります。購入する住宅は登記簿面積が50㎡以上240㎡以下で、中古住宅の場合は築年数なども制限されます。なお、贈与する人は親だけでなく、祖父母など直系尊属であればOKです。

■非課税枠の適用を受けるための主な要件
・贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること
・贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下であること
・贈与を受けた年の翌年3月15日までに引き渡しを受け、同年12月31日までに入居すること
・購入する住戸の専有面積(登記簿面積)が50㎡以上240㎡以下であること
・中古住宅を取得する場合は以下の要件のいずれかを満たすもの
(1)耐火建築物は築25年以内、木造等は築20年以内
(2)一定の耐震基準に適合するもの
(3)取得の日までに耐震改修の申請をし、居住の日までに改修を行って耐震基準に適合することが証明されたもの

■一定基準を満たす住宅の要件
・(省エネ)断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4以上相当であること
・(耐震)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上または免震建築物であること
・(バリアフリー)高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上であること

年間110万円の基礎控除も賢く利用しよう

贈与税には、贈与する人や使い道に制限のない年間110万円の基礎控除もあり、非課税枠と併用できます。非課税枠が2500万円であれば、基礎控除と合わせて2610万円まで贈与税がかかりません。

贈与税は贈与を受ける個人に対して課税されるので、夫婦それぞれで非課税枠を受けることができます。非課税枠2500万円の場合、基礎控除と合わせて夫婦合計で5220万円まで非課税になるのです。

引き渡し時期に要注意

なお、非課税枠には「贈与を受けた年の翌年3月15日までに引き渡しを受けること」という要件があります。契約時などに頭金として贈与を受けた場合、翌年の3月15日までに建物が完成せず引き渡しが受けられないケースもあるので注意が必要です。贈与を受けるタイミングを、引き渡しを受ける時にすれば問題ありません。

贈与税の非課税枠を受けるには、贈与を受けた翌年の2月1日〜3月15日に申告が必要です。住宅ローン控除と同様に、税務署や国税庁のホームページで忘れずに手続きしましょう。