<住宅ローン>保証料、融資手数料 どう選ぶのがトク?

住宅ローンの保証料、手数料どう選ぶのがトク?

住宅ローンを借りる際には、「ローン保証料」または、「融資手数料」が必要になります。

金融機関によって取り扱いが異なるため、単純に比較できず複雑に感じてしまうかもしれませんが、どちらのタイプであっても、金利以外にかかるまとまった費用となるので、しっかりと理解し選択することが大事です。支払い方法にも違いがあるため、当初に準備する資金にも違いがでてきます。

執筆/伊藤加奈子
ファイナンシャルプランナー。マネー誌『あるじゃん』や住宅関連誌、ライフスタイル誌などで活躍。著書に『私、50歳で沖縄に移住しました』(学研プラス)など。 

ローン保証料、融資手数料のどちらにするか選ぶ

ひと昔前までは、住宅ローンを借りる際にかかるコストは、「ローン保証料」という認識でしたが、ネット銀行の台頭によって、ローン保証料ではなく、「融資手数料」という言葉が登場し、住宅ローン選びをややこしくしている面があります。保証料の設定や融資手数料率に違いがありますが、“どちらもかからない”ということはなく、いずれを選択しても、ある程度まとまった資金が必要になることに変わりはありません。

まずはその違いを理解して、どちらのタイプを選ぶか決めることになります。その際、どちらのタイプにも対応している金融機関もあれば、どちらか一方の取り扱いということもありますので、注意が必要です。 

まず、元からある「ローン保証料」について説明しましょう。

ローン保証料は保証会社に支払う

ローン保証料は、住宅ローンを借りる金融機関ではなく保証会社に支払うもの。万一返済ができなくなった場合、契約者に変わって住宅ローンを保証会社が肩代わりします。保証会社にとっては、返済事故がなければ保証料は収益になりますが、万一のときには金融機関への支払いが発生します。いわば、ローン保証は金融機関にとっての「保険」といえます。

金利に上乗せするか、分割で支払うか

保証料を借入時に一括で支払う方法と、金利に0.2%程度上乗せして毎月の返済額と合わせて分割で支払う方法があります。一括で支払う方法であれば、毎月の返済額が抑えられるほか、繰り上げ返済によって返済期間が短縮されれば、保証料の戻しがある点がメリットといえるでしょう。一方、金利上乗せの分割方式であれば、毎月の返済額は増えますが、借入時の費用が抑えられるというメリットがあります。ただし、繰り上げ返済による保証料の戻しはありません。

融資手数料は借入額の2%程度が必要だが、金利は低く設定される

多くのネット銀行で採用しているのが「融資手数料」で、借入額の2%程度としていることが多いです。これは、保証会社にではなく住宅ローンを借りる金融機関への支払いになります。ただ、実際には保証会社がローンの審査・抵当権の設定を行いますので、ローン保証料との違いは金利に出てきます。もともとネット銀行の住宅ローンは、一般の都市銀行よりも金利が低めですが、繰り上げ返済で期間が短縮しても、融資手数料の戻しがない分、より金利を低くできるという仕組みです。

借入時に一括で払う

ただし、融資手数料は金利に上乗せではなく借入時に一括で支払うことになるため、当初の費用としては相当額を準備しなくてはなりません。また、借入額に料率を掛けるのではなく、一律33万円(楽天銀行。変動金利、10年固定の場合)とする金融機関もあり、金利と融資手数料の両面で、検討する必要もあります。 

どちらのタイプを選ぶかは、借り入れ後の返済計画による

2019年10月現在、比較的住宅ローン金利の低いりそな銀行を例に、これまでのことをまとめてみましょう。

下記の表は、借入額3000万円、返済期間35年、毎月返済のみ、変動金利(店頭金利2.475%)で、全期間金利が変わらなかった場合の試算です。

  ローン保証料型 融資手数料型
一括前払い型 金利上乗せ型
適用金利 0.53% 0.73% 0.47%
毎月の返済額 約78,207円 約80,895円 約77,478円
35年間の総返済額 約3,285万円 約3,398万円 約3,254万円
初期費用 事務取扱手数料 32,400円 32,400円 32,400円
ローン保証料 約618,000円 不要 不要
融資手数料 不要 不要 648,000円
初期費用の合計金額 計650,400円 計32,400円 計680,400円

適用金利が最も低くなるのが融資手数料型で、高いのはローン保証型で金利上乗せにした場合です。これによって、毎月の返済額では約3400円の差があります。総返済額では約144万円の差となります。

借入時にかかる費用としては、ローン保証料型の金利上乗せが取り扱い事務手数料のみとなり、初期費用を抑えることができます。また、ローン保証料を一括で支払うタイプと融資手数料型では、前者が初期費用を少し抑えることができますが、返済総額では金利差によって、融資手数料型より、少し多くなる計算です。一概にどれがいい、とは言えませんが、毎月の返済額を少しでも減らしたいのか、初期にかかる費用を抑えたいのかで、選択は変わってくるでしょう。

基本の考え方は、以上のようになりますが、複数の金融機関で比較する際は、細かな条件が異なるので、個々に書き出すなどしてチェックしていくことが大事です。面倒な作業かもしれませんが、金利の確認とともに、どのタイプを選ぶかは慎重に検討するようにしましょう。