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番町


住人たちが守り続ける皇居のお膝元の住宅街

番町は都心の中でも稀有な存在だ。皇居の間近に位置し、国政の中心である霞ヶ関や国内最大級のターミナル駅である新宿が近くに控えながらも、住宅街のスタンスを譲らない。JRと地下鉄の双方が通り、利便性が高まった現在も軸足は一向にぶれない。この住環境を守り続けてきたのは、街を愛する住人たち。熱いを想いは今なお継承され続けている。

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ASSET VALUE

3%台の利回りは安定性の証し

HISTORY

高台地に集結した旗本衆「大番組」

LIFE STYLE

時代に流されない価値観が街に息づく

ASSET VALUE

3%台の利回りは安定性の証し

エリア 番町 虎ノ門・新橋 松濤 四ツ谷・新宿 広尾
中古平均坪単価

581万円

664万円

452万円

374万円

533万円

築10年リセールバリュー

122.19

134.10

83.30

112.69

103.09

築10年利回り

3.40%

4.09%

4.30%

4.09%

4.50%

築10年平均占有面積

79.09㎡

84.30㎡

76.90㎡

72.30㎡

89.69㎡

データ提供 : 東京カンテイ

各種データの算出方法


リセールバリューデータの集計条件

2007年4月~2010年3月に新規分譲され、2018年4月~2019年3月に中古流通した分譲マンションを対象に新築分譲価格からの価格維持率(リセールバリュー)を算出。

専有面積30㎡未満の住戸および事務所・店舗用ユニットは集計から除外。

利回りの集計条件

2016年4月~2019年3月までに発生した中古流通売事例および賃料事例から利回り、平均専有面積を算出。

築10年:築9年超~築12年未満の中古流通売事例と賃料事例。

専有面積30㎡未満の住戸および事務所・店舗用ユニットは集計から除外。

大きな再開発案件がない中でも、120という非常に高いリセールバリューを誇る番町エリア。利回りは低く見えるが、それは安定性の高さの表れともいえるだろう。

HISTORY

高台地に集結した旗本衆「大番組」

千代田区のなかでも内濠と外濠の間に位置し、さらに高台地に形成された住宅街。 それが「番町(一番町~六番町)」である。

地名由来は、徳川将軍が警備役の旗本衆「大番組(おおばんぐみ)」を住まわせたことからきている。 本丸を背にして、西方向の大道(甲州街道・東海道)が見渡せる高台は最適地だったよう。見晴らし、見張り双方の効果を見越してのことか、規則正しい碁盤状の道路は富士山の方角を示すように傾(かし)いでいる。 当時、高台の地域は大名屋敷として活用されたケースが多く、旗本の敷地はそれらにくらべると相対的に小さい。此処では似たような家屋が並んだことから「番町を 魚の下がるほど 尋ね」―届け先が見当たらず探している間に(魚の)値打ちが下がった―といった川柳があるほど。

だが、この街区形成の沿革こそ、大型ビルディングになるには敷地が物足りず、都市計画上も住居地域として引き継がれた根源であろう。結果的に都心の真ん中に位置しながらマンションが大半を占める今の景観が出来上がった。

外国人向けに作られ、現在でもファンの多いホーマットシリーズ

島崎藤村や泉鏡花といった文学者らが居を構えたことで知られ、「番町文人通り」という名の道があるほど。 これは高台の尾根を東西に行く通りなのだが、いまでは「ホーマット」マンションシリーズが多数立ち並ぶ。数年前から、それらが(一部)建て替えの時期を迎えている。残されていた大きな木造一軒家も分譲マンションに変わる例が散見され、新築・中古ともに一定量のマンション市場が形成されているといえよう。

同じ番町と付くアドレスでも、英国大使館やローマ法王庁大使館のある一番町や三番町は環境をより重視する顧客層が、JR「市ヶ谷」「四ツ谷」駅に程近い五番町や六番町は利便性重視の顧客層が購入検討をする傾向にあるようだ。特有の市場動向として、同地域内での住み替えが珍しくないという。

「都心でありながら閑静な住環境」に一度住むと離れられないのだろう。とくに新しいマンションは性能面でも優れていることが多く、「より豊かに暮らしたい」ニーズを叶える役割を果たしている。

LIFE STYLE

時代に流されない価値観が街に息づく

早起きしてお気に入りの店で焼きたてのパンを買う。そんな丁寧で豊かな時間の使い方をしたくなる街だ。朝8時からオープンの「No.4」には、堀端を走ってひと汗流した後、愛犬の散歩の途中、出勤前などさまざまな人たちが訪れる。パンもコーヒーも、メニューはすべてハンドクラフト。丁寧につくられた、この街にふさわしい味わいだ。(撮影協力:No.4)

歴史ある街にはファミリーも多く居住。歩車分離がされ、スクーゾーンや公園など子どものための空間が整備されている。学生の街ではあるものの、落ち着いた環境が保たれている。

住宅街として守られてきた番町には、流行に捉われず、価値のあるものに焦点をあてた店が多い。象徴的なのは「パティシエ・シマ」だ。ショーケースに並ぶのは、クラシカルなフランス菓子。そこには、フランスの豊かな食文化とエスプリを伝えたいという思いが込められている。開店したのは1998年。今ではすっかり街の顔だ。

(撮影協力:パティシエ・シマ)

この街の食にまつわる店は少数精鋭。ふらっと入った店が実は知る人ぞ知る名店だった、ということもよくある。「シェカザマ」はアットホームな街のパン屋さんとして親しまれているが、店主は数々の名店で腕を鳴らした職人歴60年以上の大ベテラン。天然酵母のパン・ド・プルミエは、開店当時から人気のロングセラーだ。(撮影協力:シェカザマ)

碁盤状の整然とした道路には余計な装飾を省いたシックなトーンのビルが立ち並び、品格と重厚感を印象づける。石やレンガなどの塀や外壁が長く続くのもこの街らしさ。堅牢なつくりは、かつて旗本屋敷だった時代を彷彿とさせる。

三番町にあるローマ法王庁大使館と一番町のイギリス大使館は、威厳のあるその佇まいが由緒ある街並みに調和。靖国通り沿いにはイタリア文化会館もあることから、外国人向けの住宅が点在する。インターナショナルな雰囲気を醸しつつも、ぶれない落ち着きが番町たるゆえんだ。

千鳥ヶ淵の緑道は地元の人たちの散歩道。桜の季節は多くの観光客でにぎわうが、普段は静かで穏やかな時間が流れる。ここでは四季の移ろいが色濃く感じられ、手漕ぎボートが浮かぶ水辺の空間ものんびりのどか。なにかを考えたいとき、頭を空っぽにしたいときも自然と足が向く場所だ。周辺のマンションもこの景観を活かしたプランが多い。

靖国通りと交差する内堀通りは、道幅がゆったりと取られているため視界が広い。周辺には高い建物が少ないこともあって、空も大きく感じられる。靖国神社をはじめ緑も豊か。スケール感のある眺めは、毎日見ても気持ちがいい。

舌の肥えた人が多く暮らすからだろうか、番町では実力派のレストランが目を引く。イタリア料理「DiVino」のシェフは、ピエモンテ、ボローニャ、パルマなどで修業。エレガントな空間で、滋味豊かな料理を堪能できる。コースのほかにアラカルトも充実し、カウンター席もあるから1人でも楽しめる。通いたくなること必至だ。(撮影協力:DiVino)

Updated on 2019.8.4

TERASS編集部 (ASSET VALUE)

坂根康裕 (HISTORY)

上島寿子 (LIFE STYLE)

一井りょう (PHOTO)